平成27年度 千葉市中央区PTA連合協議会研修会

 広報委員会

日時 平成27年11月28日(土曜日) 16時より
場所 TKPガーデンシティ千葉 4階 コンチェルト(カンデオホテル内)
テーマ 耳と脳 きこえの発達からきた賢い子どもの育て方
講師

中川 雅文(なかがわ まさふみ)先生
国際医療福祉大学耳鼻咽喉科教授・
耳鼻咽喉科部長

講演前の11月21日には宮古島で「認知症・脳卒中」をテーマに講演をされるなど精力的にご活動いただいている先生です。

今回、以前監修をされた聞こえのハンディキャップを持っている子どもがどういう取組をすると普通学級の中でキャッチアップして授業を受けられるかのノウハウを書いてある冊子(学校生活ときこえ)をご提供くださいました。

来賓挨拶

来賓の大曽根中央区長よりご祝辞のなかで「未来ある子供たちがさらに育つよう、よりよい学校・よりよいPTAになるよう今回の研修を活用して、これからも活動してください。」とエールをいただきました。

講演内容

「おとうさん・おかあさんが、おうちで子供と接する時、何を伝えてどうリアクションしていくべきか」を、チンパンジーとヒトの対比や脳科学・聴覚生理学などをまじえてご講演いただきました。政治家の話し方や詐欺にかかるメカニズムなど具体的な事例があったり。また大変軽快な語り口でお話いただき、最後は拍手の代わりにパントコールで終わるというパフォーマンまでしていただきました。


コミュニケーションとは、目と耳を使って受け止める行為のこと。

見た目がすべて。見た目が結果を決めてしまう。
繰り返しやリズムによって見た目の悪さは払拭できる。

子どもたちの脳にひびくコミュニケーションを心がけてください。

あなたの概念は標準ですか?
(人種などにかかわらず大多数の人は、左がkikiで右がBouba)

チンパンジーの言語(パントコール)は感情的なもの・精神的なつながりを得るための会話。
群れであることを確認するうえで重要なことは、相手の発する音を、より高い音で呼応して出すこと。

軽い難聴などで声の大きさ・高さを感じ取ることが弱いと、群れの確認行為に参加できないことがあり、いじめやちょっと浮いてしまうことに通じてしまうことがある。
学校内で認識されないことが多く、まわりの気づきなどで回避。

ヒト特有の、存在しないものからのシグナルを聴きとることを通じて、高い言語力を獲得していく。

頭ごなしに言っても、情報を伝えているだけで感情を伝えていない。
一番目的としている言葉を伝えるのではなく、もう一歩手前の情報から入っていくとコミュニケーションは成立しやすくなる。

「聴」
耳と十の目(たくさんの目からの情報)を心(脳)で処理する。
漢字のすごいところです。

表情が固まっている人は鼓膜が動かない。
相手が笑っているような、聴けるような状態ですか?

手軽に携帯できるイヤホンの利用で最近難聴の若い人が増えている。(ついつい大音量にしてしまう。)
110dB 60分で危険
有毛細胞は音響的外傷で壊れ、もとにはもどらない。

感情を感じる場所を、視覚野でも使っている。
見た目が悪いというイメージが入ってしまうと、聴覚野からの情報をマスキングしてしまう。
脳は活発に活動すると機能がオーバーラップして、正しく理解できなくなってしまうこともある。
(電話での詐欺に注意―視覚からの情報がないので)

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